ぐーやんのウイスキー道

ウイスキー初心者の私がウイスキー道を歩むブログです

アードベッグデーを祝した飲み比べ

アードベッグスコーチを求めて

限定という言葉は非常に魅力的で、それはウイスキーにも当てはまります。
毎年6月の第1週に行われるアードベッグデーでは、年ごとに異なるコンセプトの限定ボトルが発表されており、2021年はアードベッグ スコーチの発表がありました。

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アードベッグ スコーチ(公式より引用)
ウイスキーを飲み始めて初のアードベッグデーであり、アードベッグファンとして手に入れなければ!

…なんて思っていましたがさすがは限定ボトル。酒屋では全然見つかりません。Twitterでの購入報告が羨ましい。

バーで飲もうにも6月は緊急事態宣言の真っ最中。飲食店の酒類提供が禁止されているため、どのお店も臨時休業でした。

バーで

飲みたい気持ちを抱えたまま日々は過ぎ、ついに宣言の解除。
ちょっと緊張しながらバーに行き、マスターにスコーチがあるか尋ねたところ、「ありますよ」との返答が。

やっと飲める!というワクワクと共に、せっかくなら歴代の限定ボトルも試してみたいと思い、アードベッグデーを祝した飲み比べをすることにしました。

いざ飲み比べ

飲み比べをするなら基準が必要ということで、まずはアードベッグの10年から頂きました。

アードベッグ 10年
香味:ピートと砂糖っぽい甘さ。香りは強いが味わいにクセはなく、酒質が軽めで飲みやすい。時間が経つとクリーミー
舌にまとわりつく感じ。余韻も軽くピートと甘さが残る。

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アードベッグ 10年

10年は安定して美味しいです。世間で言われるより飲みやすく感じるのは、私がピートの香りに慣れたからでしょうか。

基準は作ったということで、待ちに待ったスコーチです。
 

アードベック スコーチ
Ardbeg Scorch

香味:ピート香は10年より弱め。グラスに注いで10分程度置いておくと、ピートの中の薬品ぽさが弱まり、燻製のような香ばしさがメインになる。味わいは甘さと塩っぱさ。 余韻にふわっとタイヤ、ゴム感。

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アードベッグ スコーチ

10年は甘さを強く感じましたが、スコーチはそこに燻製のような香ばしさが加わっています。
塩っぱさも感じたのですが、公式のテイスティングノートやネット上の感想を見る限りそのような記述が無いので、他のニュアンスと勘違いしているんだろうなと思います。

ピート香とニューポット香を飲み比べて確認したお話 - ぐーやんのウイスキー道

(上の記事はニューポット香とピート香を混同してたなって記事です。よければご覧ください。)
 

香りを正露丸と例えられがちな10年に対し、燻製香を強く感じるスコーチは、多くの人にとって飲みやすいアードベッグだと感じます。

目当てのスコーチは味わうことができましたが、他のアードベッグデー限定ボトルも飲んでみたい!ということで、アードベッグ ブラックをいただきました。

アードベッグ ブラック
Ardbeg Blaaack

香味:弱めなピート香。甘いが10年のような平たい砂糖的な甘さではなく、立体的で舌に残る果物的甘さ。 時間経過で塩っぱさ。

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アードベッグ ブラック

こちらは2020年のアードベッグデー限定ボトル。 ニュージーランドピノノワールの赤ワインの樽で熟成されています。
ニュージーランドは人より羊の方が多いということで、 blaaa(羊の鳴き声)とblack(黒)を掛け合わせてこの名前に。
いつもは緑色なボトルが今回は真っ黒です。

赤ワイン樽の影響か、フルーツっぽい甘さがメインでした。ピート香は弱めに感じます。

このあと2本頂きましたが、そちらはアードペッグデー限定ボトルではなくアードベッグコミッティー限定ボトルです。
コミッティーの会員には無料で誰でもなれます。私もこの記事を書きながら入会しました。

なお、会員になったからといってこれらのボトルが買える保証はありません。手に入れるには激しい競争に勝ち抜く必要があります。

アードベッグ スーパーノヴァ 2019
Ardbeg SuperNova 2019

香味:ふわりと油性マジック。口に含むと暴れる10年。 甘さとピートが強めだが、アルコール度数が53.8%なので納得。口への刺激が強い。

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アードベッグ スーパーノヴァ 2019

強化版アードベック10年という印象です。スーパーノヴァは、通常50PPMのアードベッグのフェノール値を更に高めたスーパーヘビーピーテッド仕様が特徴とのこと。高めなアルコール度数と相まって、甘さやピートの刺激を強く感じました。
今回いただいたのは2019年モデルですが、2010年モデル、2014年モデルなど今までに何度かリリースされているみたいです。

そして最後はArrrrrrrdbegです。rは7個で読み方はアーーーーーーードベッグ。

アードベッグ アーーーーーーードベッグ
Ardbeg Arrrrrrrdbeg!

香味:色は少し薄め。香りは10年と同じ系統。ピート。時間経過で香りにフルーティが追加。
味わいはBlaaackよりフルーツっぽく立体感が増した。時間経過で溢れるミックスフルーツ。

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アードベッグ アーーーーーーードベッグ

美味しいです。アードベッグってこんなにフルーティーになるんですね。今回いただいた中で1番好き。Arrrrrrrdbeg!は、アードベッグの蒸留所長かつコミッティーの会長でもあったミッキー・ヘッズさんの退任記念で作られたとのことで、これだけ美味しいのも納得です。

満足

一度にこれだけ飲み比べたのは初めてでしたが、それぞれの違いを感じられたことが嬉しいです。多少なりとも舌の成長を感じつつ、個々のボトルがどのような比率でブレンドされているのかレシピを見せてほしいです。何種類の原種が使われているんでしょうか。

アードベッグの10年はいつも1杯飲んで満足してしまうのですが、スコーチは2杯目を飲みたくなるような、飲み疲れしにくいウイスキーという印象でした。
燻製に近い香りということで、体が違和感なく受け入れてくれるんでしょうか。そもそものピート香が弱い可能性もありますが。アードベッグが苦手な人でも、これなら飲めるかも。

また今回の飲み比べで、塩っぱさ(ブリニー)を他の何かと混同している可能性が出てきました。燻製からベーコンやソーセージを連想して、それが塩っぱさに繋がったのでしょうか。
塩っぽいウイスキーといえばアイランズモルトが有名なので、次バーに行くときに勉強として飲み比べてみようと思います。